仮想通貨ウォレットをアドレスで安全に管理する方法
Ethereum、Solana、Bitcoinなどのウォレットを公開アドレスだけで追跡する方法。アドレスからわかること、絶対に教えてはいけないもの、詐欺の避け方を解説します。
著者:Sonar team11分で読めます
仮想通貨のウォレットは、公開アドレスだけで追跡できます。アドレスをブロックエクスプローラーやポートフォリオ管理ツールに貼り付ければ、残高と取引履歴を読み取れます。こうした情報はブロックチェーン上で公開されているからです。追跡に秘密鍵、シードフレーズ(リカバリーフレーズ)、ウォレットでの署名が必要になることはありません。それを求めてくるサービスは、追跡ツールではありません。
このガイドでは、EthereumなどのEVM系ネットワーク、Solana、Bitcoin、そのほかいくつかのネットワークでアドレスがどう機能するか、アドレスでの追跡でわかること・わからないこと、安全に行う方法を説明します。
公開アドレスと秘密鍵
どのウォレットにも、性質のまったく違うふたつの情報があります。
- 公開アドレスは口座番号のようなものです。受け取るために相手に伝えます。誰でも調べて残高と履歴を見られますが、これを使って送金することはできません。
- 秘密鍵やシードフレーズは資産を動かす権限そのものです。持っている人は、ウォレット内のすべてを動かせます。
ethereum.orgのイーサリアムのアカウントのページでは、公開アドレスは秘密鍵から導き出されるが、アドレスから秘密鍵を割り出すことはできないと説明されています。この一方向の関係があるから、読み取り専用の追跡ができるのです。
ルール: 追跡ツールに必要なのは公開アドレスだけです。ウォレットを「連携」や「認証」するためだとしても、シードフレーズや秘密鍵をウェブサイト、アプリ、フォームに入力してはいけません。
ネットワークによって異なるアドレス
EthereumとEVM系ネットワーク(Base、Arbitrum、Optimism、Polygon、BNB Chain、Avalancheなど)
EVM系のネットワークは同じアドレス形式を使っています。0xに続く40文字の16進数です。同じアドレスがどのネットワークにも存在するので、ひとつのウォレットがEthereum、Base、Arbitrumに同時に資産を持っていることがあります。よいツールは、そのアドレスについて各ネットワークを確認します。多くのウォレットには、アドレスを指す読みやすいENS名(name.ethなど)もあります。ENSを参照してください。
Solana
Solanaのアドレスはbase58の文字列で、通常32〜44文字、0xは付きません。トークンはメインのアドレスに紐づくアカウントで保有されます。詳しくはSolanaのアカウントに関するドキュメントにあります。ツールは、メインのアドレスからこれらのトークンアカウントを読み取ってくれるはずです。
Bitcoin
Bitcoinのアドレスは1、3、bc1のいずれかで始まります。最近のBitcoinウォレットの多くは階層的決定性(HD)ウォレットで、受け取るたびに新しいアドレスを作ります。これはBitcoinの開発者ガイドのウォレットの章で説明されています。bitcoin.orgもプライバシーの保護のために新しいアドレスを使うことを勧めています。つまり、ひとつのBitcoin「ウォレット」が多くのアドレスに資産を分けて持っていることがあり、ひとつのアドレスだけを追跡しても、そのアドレスにある分しか見えません。
そのほかのネットワーク
ほかにも独自のアドレス形式を持つネットワークが多くあり、それぞれ入力ミスを見つけるチェックサムを備えています。
- Bitcoin系のネットワーク(Litecoin、Bitcoin Cash、Dash、Zcashなど)はBitcoinと同じく、ひとつのウォレットが複数のアドレスに資金を分けて持つことがあります。Bitcoin CashとBitcoin SVは、
1や3で始まるBitcoinの旧形式アドレスも使えるため、そうしたアドレスが複数のチェーンにコインを持っていることがあります。 - アカウント型のネットワーク(XRP Ledgerの
r…、StellarのG…、TRONのT…、NEARの名前.near、Hederaの0.0.12345など)は、Ethereumと同じくひとつのアドレスにすべてをまとめます。 - Cardanoのウォレットは多数の支払いアドレス(
addr1…)をひとつのステークアドレス(stake1…)に結びつけていて、ステークアドレスでウォレット全体をカバーできます。 - Aptos、Sui、StarkNetはどれもアドレスを
0xと64文字の16進数で書くため、形式だけではどのネットワークのアドレスかわかりません。 - Cosmos系のチェーンは同じ形式で、ネットワークごとに接頭辞が異なります(
cosmos1…、inj1…、celestia1…、sei1…)。PolkadotとBittensorのアドレスは、同じ鍵を異なる接頭辞で表したものです。
アドレスからはまったく読み取れない残高もあります。MoneroとZcashのシールドアドレスは、設計上金額を隠しています。それを見るにはビューキーが必要で、公開アドレスで追跡するツールはビューキーを使いません。
手順:アドレスでウォレットを追跡する
- 公開アドレスをコピーします。 ウォレットアプリの「受け取る」画面からコピーして貼り付けます。手で打ち直さないでください。
- ウォレットと照合します。 最初と最後の数文字を見比べます。
- ブロックエクスプローラーで調べます。 そのネットワークのエクスプローラー(EthereumならEtherscan、Bitcoinならmempool.spaceなど)で、正しいアドレスか、期待どおりの資産があるかを確認します。
- ツールに追加します。 ほかの投資と一緒に評価し、自動で最新に保ちたい場合に追加します。
- ウォレットとネットワークごとに繰り返します。 BitcoinのHDウォレットなら、残高のあるアドレスをそれぞれ追加します。
Sonarでの追跡
Sonarの仮想通貨ウォレットトラッカーでは、公開アドレスかENS名を貼り付けます。SonarはEthereumなどのEVMチェーン、Solana、Bitcoin、Litecoin、XRP Ledger、TRON、Stellar、Cardano、NEAR、Aptos、Sui、Cosmos Hub、Polkadotを含む50以上のネットワークで残高を読み取り、その多くでは取引履歴も読み取ります。EVMアドレスは、対応しているすべてのEVM系ネットワークで確認します。各ネットワークと、それぞれで表示できないものはそのページに一覧があります。
正確さのために大事な点がいくつかあります。
- アドレスは厳密にチェックします。 どのアドレスもそのネットワークのチェックサムで確認するので、打ち間違いは別のウォレットとして追跡されずに弾かれます。
- トークンはティッカーではなくコントラクトで識別します。 名前をまねたトークンが本物として評価されることはありません。スパムのエアドロップが多いネットワークでは、Sonarが認識できない、または価格を付けられないトークンは表示しません。それ以外では、認識できないものも削除せず、表示して残します。
- 残高は自動で更新されます。 Freeは1日1回、Starter、Standard、Premiumは6時間ごとです。
- Bitcoinはアドレス単位で追跡します。 複数のアドレスに資産を分けているウォレットなら、残高のあるアドレスを追加してください。Litecoin、Bitcoin Cash、Dash、Zcashも同じです。
Sonarが秘密鍵やシードフレーズを求めることはなく、資産を動かそうとしても動かせません。ウォレットは、取引所や証券口座、手入力のポジションと同じポートフォリオに入ります。見た目はデモで確認できます。


アドレスでの追跡でわかること・わからないこと
わかること:
- そのアドレスにある仮想通貨とトークンの現在の残高
- ブロックチェーンに記録された入出庫、スワップなどの取引
- 現在の価格でのそれらの評価額
わからないこと:
- いくらで買ったか。価格が記録される形でブロックチェーン上で購入した場合を除きます。取引所で買って出庫した分は、入庫としてしか表示されません。取得単価とはを参照してください。
- 自分が管理するほかのアドレスにある資産
- ツールが対応していないネットワーク上の資産
プライバシー:アドレスからわかること
ブロックチェーンは公開されています。あなたのアドレスを知っている人は、残高と全履歴を見られます。支払った相手は、あなたが送金に使ったアドレスを知っています。実践的なポイントは次のとおりです。
- ツールにアドレスを渡すことは、保有資産を見せることです。 プライバシーとセキュリティのページを確認しましょう。Sonarのセキュリティページには、保存するものと決して見ないものが書かれています。
- ENS名は、本人を連想させる名前なら、アドレスと身元を結びつけます。
- ひとつのアドレスを使い回すと、活動を結びつけやすくなります。
安全:ウォレットを狙う詐欺
- シードフレーズを求める「認証」や「同期」サイト。 例外なく詐欺です。正規のサービスがそれを必要とすることはありません。
- ウォレットの接続と署名を求める画面。 読み取り専用の追跡に、接続も署名もいりません。署名ひとつで、誰かにトークンを動かす許可を与えてしまうことがあります。
- アドレスポイズニング。 似たアドレスから少額を送り、次回あなたが履歴からそのアドレスをコピーするのを狙う手口です。アドレスは必ずウォレットの「受け取る」画面からコピーしましょう。
- SNS上の偽サポートアカウント。 ウォレットの「復旧」や「追跡」を持ちかけてきます。金融庁はSNS上の投資勧誘への注意喚起で、詐欺の可能性が高い手口をまとめています。
よくある間違い
- ひとつのネットワークしか追跡しない。 BaseやArbitrumにも資産があるEVMアドレスで起こりがちです。
- Bitcoinのアドレスをひとつだけ追跡する。 ウォレットが多くのアドレスに資産を分けている場合です。
- 送金を二重に数える。 取引所とウォレットの両方を追跡していても、移動を対応づけていない場合です。
- トークン名を信じる。 トークンはどんな名前やシンボルでもまねできます。コントラクトで識別すれば、偽物を評価せずに済みます。
よくある質問
アドレスを知られると仮想通貨を盗まれますか?
いいえ。公開アドレスでできるのは、受け取ることと調べられることだけです。資産を動かせるのは秘密鍵だけです。危険なのは、秘密鍵を教えさせたり、悪意のある取引に署名させたりする詐欺です。
ポートフォリオ管理ツールにウォレットアドレスを教えても安全ですか?
アドレスで渡せるのは読み取り権限だけなので、ツールが資産を動かすことはできません。その代わり、サービス側はそのアドレスの保有資産を見られるので、プライバシーとのトレードオフになります。何を保存するのかを説明しているサービスを選びましょう。
追跡するのにウォレット(WalletConnect、MetaMask)を接続する必要はありますか?
ありません。追跡に必要なのはアドレスだけです。ウォレットの接続は取引に署名するためのもので、追跡ツールには必要ありません。
LedgerやTrezorなどのハードウェアウォレットも追跡できますか?
はい。ハードウェアウォレットにも、ほかと同じように公開アドレスがあります。専用アプリの「受け取る」画面からコピーしてください。デバイス自体を追跡ツールに接続する必要はありません。
買ったときの価格が表示されないのはなぜですか?
ブロックチェーンに記録されるのは送金であって、取引所での購入価格ではありません。取引所の履歴をインポートして取得価額を加えるか、手で入力しましょう。
関連ページ
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