純資産の計算方法と、推移を記録するコツ
純資産は「持っているもの − 借りているもの」。資産と負債の洗い出し方、株や仮想通貨の正しい評価のしかた、毎月の推移を意味のある形で記録する方法を解説します。
著者:Sonar team8分で読めます
純資産とは、持っているもの(資産)の合計から、借りているもの(負債)の合計を引いた金額です。現預金、投資、不動産などを今の時価で合計し、住宅ローンや各種ローン、クレジットカードの残高を差し引けば、それがあなたの純資産です。推移を追うには、同じ計算を同じルールで定期的に繰り返します。
式は単純です。難しいのは、株や仮想通貨のように刻々と値動きする資産をどう評価するかと、推移に意味が出るように同じやり方を続けることです。このガイドでは、その両方を扱います。
純資産の計算式
純資産 = 資産の合計 − 負債の合計
家計の金融資産を調べる大規模な調査でも、同じ定義が使われています。たとえば米連邦準備制度理事会(FRB)の消費者金融調査(Survey of Consumer Finances)は、世帯の純資産を資産から負債を引いたものとして測っています。
結果がマイナスになることもあり、奨学金を返済中で資産がまだ少ない社会人になりたての時期にはよくあることです。それは出発点であって、評価ではありません。
ステップ1:資産を書き出す
資産をグループに分けると、どこに資産があるのかが見えます。
- 現預金: 普通預金、定期預金、証券口座の預り金、取引所に置いている日本円。
- 投資: 特定口座・NISA口座の株式やETF、投資信託、債券、iDeCo。
- 仮想通貨: 取引所と自己管理ウォレットの残高。
- 不動産: 自宅やその他の不動産。売却できそうな価格の見積もりで。
- その他: 車、事業の持ち分、貴金属など。含めるかどうかは自分で決めます。
使うのは今の時価で、買ったときの値段ではありません。取得価格は収益率や税金の計算には大事ですが、純資産が測るのは「今いくらの価値があるか」です。
ステップ2:負債を書き出す
借りているものをすべて入れます。
- 住宅ローン
- 奨学金
- 自動車ローン
- クレジットカードの未払い残高、リボ残高
- カードローンやその他の借入
使うのは今の残高で、借りたときの金額や毎月の返済額ではありません。
ステップ3:引き算する
説明のための架空の例です(実際のデータではありません)。
| 資産 | 金額 |
|---|---|
| 現預金 | 3,200,000円 |
| 証券口座(特定口座・NISA) | 6,800,000円 |
| iDeCo | 2,400,000円 |
| 仮想通貨(取引所とウォレット) | 900,000円 |
| 自宅マンション(見積もり) | 38,000,000円 |
| 車 | 1,500,000円 |
| 資産合計 | 52,800,000円 |
| 負債 | 残高 |
|---|---|
| 住宅ローン | 29,000,000円 |
| 自動車ローン | 800,000円 |
| クレジットカード | 150,000円 |
| 負債合計 | 29,950,000円 |
純資産 = 52,800,000円 − 29,950,000円 = 22,850,000円
株と仮想通貨を正しく評価する
値動きする資産は、純資産のなかで毎日変わる部分です。いくつかのルールで数字を正直に保てます。
- すべてを同じ時点で評価する。 昨日の証券口座の残高と今日の仮想通貨の価格を混ぜると、特に値動きの大きい日には合計がずれます。
- ひとつの通貨にそろえる。 米ドル建てと円建ての資産があるなら、同じ時点で換算します。Sonarは、円を含む好きな通貨でポートフォリオ全体を評価します。
- 各ポジションは一度だけ数える。 取引所からウォレットに移した仮想通貨は、ウォレット側にだけ入れます。
- ロックされた金額を現金として数えない。 見ておきたいなら別に記録します。
- 換金しにくいものは控えめに。 自宅の見積もりは参考になりますが、今日その値段で売れるわけではありません。そのため、「金融資産(現預金+投資)」を別に追う人も多くいます。
ステップ4:推移を記録する
ある時点の純資産はスナップショットにすぎません。意味があるのは推移です。そのために、
- 頻度を決める。 毎月か四半期ごとで十分な人がほとんどです。値動きする資産は自動で評価されるので、もっと頻繁に見てもかまいません。
- 同じルールを守る。 一度車を含めたなら毎回含めるか、ルールを変えた時期をメモします。
- 貯蓄と運用益を分ける。 純資産は、貯金をしても、投資が値上がりしても増えます。どちらも良いことですが、意味は違います。100万円を入金したあとにポートフォリオが500万円から600万円になったのなら、運用では1円も増えていません。
- 大きな出来事を記録する。 住宅購入や相続などがあれば、グラフの急な変化に説明がつきます。
投資部分は自動化する
純資産のうち、投資の部分は手作業で最新に保つのがいちばん大変です。純資産トラッカーを使えば、株式、ETF、仮想通貨、現金を自動で評価し続け、自宅やローンのように動きの遅い項目だけを自分で更新すれば済みます。
Sonarの純資産は、追加したすべての口座の株式、ETF、ファンド、仮想通貨、現金を対象に、1日、1週間、1か月、1年、全期間の変化を表示します。パフォーマンスは入金した額と市場要因の損益を分けて示し、過去の取引をインポートすれば、日々の終値から履歴を再構成します。デモのポートフォリオで見た目を確認できます。


Sonarが扱うのは投資資産です。負債や不動産、投資以外の資産は、毎月更新する簡単なスプレッドシートなどで横に並べて管理するのがおすすめです。
例:推移には文脈が必要な理由
説明のための架空の例です。ある人の純資産が12か月で800万円から1,040万円になり、240万円増えました。
| 変化の内訳 | 金額 |
|---|---|
| 収入からの貯蓄 | 1,600,000円 |
| 投資の値上がり | 600,000円 |
| 自宅の見積もりの上昇 | 200,000円 |
| 変化の合計 | 2,400,000円 |
全体では30%増えていますが、投資による増加はその4分の1です。この例では、増えた分の大半は貯蓄によるものでした。なお、預金でローンを繰り上げ返済しても、それだけでは純資産は変わりません。現金と負債が同じ額だけ減るからです。
よくある間違い
- 取得価格を使う。 純資産は時価で計算します。取得価格は取得単価の計算に使います(取得単価とはを参照)。
- 小さな負債を忘れる。 カードの未払いや分割払いは積み重なります。
- 自宅を高く見積もりすぎる。 控えめに見積もり、売却時の費用も考えます。
- 入金を増加と勘違いする。 銀行口座から証券口座に資金を移しても、純資産は変わりません。
- 口座を忘れる。 昔の確定拠出年金、取引所に残った少額、ほとんど開かないウォレットも数に入ります。
よくある質問
自宅は純資産に含めるべきですか?
自宅は資産で、住宅ローンは負債なので、純資産の一部です。ただ、住み続けるつもりで売る予定がないため、自宅を除いた純資産も別に追う人は多くいます。一貫していれば、両方を追うのは合理的です。
iDeCoや企業年金は含めますか?
はい、資産です。受け取るときに税金がかかることをメモして、税引き前と税引き後のふたつを追う人もいます。どちらを使っているか明記しておきましょう。
どのくらいの頻度で計算すればいいですか?
多くの人は毎月か四半期ごとで十分です。投資の部分はツールで常に更新できますし、自宅の見積もりを毎日見直す必要はありません。
仮想通貨は純資産に入りますか?
はい。保有している仮想通貨はほかと同じ資産で、今の時価で評価します。取引所と自己管理ウォレットの残高を数えましょう。仮想通貨ウォレットをアドレスで管理する方法を参照してください。
純資産がマイナスだったら?
今は負債が資産を上回っているという意味で、奨学金の返済中や住宅を買ったばかりの時期にはよくあることです。大事なのは方向です。ローンの返済や貯金のたびに数字は動き、定期的に記録していれば、プラスになる前から進み具合が見えます。
純資産とポートフォリオの評価額の違いは?
ポートフォリオの評価額は投資資産の価値です。純資産はもっと広く、現金や不動産も含むすべての資産から、すべての負債を引いたものです。Sonarのようなツールが見せるのは投資ポートフォリオで、多くの場合、純資産のなかでいちばん大きく動く部分です。
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